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みんなで共有するVR『Looking Glass』という選択

みんなで共有するVR『Looking Glass』という選択

クラウドファウンディングプラットフォーム Makuakeで500万円の募集をしたところ、約10倍の5,000万円を集めたアイテムがある、『Looking Glass』だ。

Looking Glassは自分たちのことを「日本の3Dクリエイターのためのホログラムディスプレイ」と名乗っている。どんなものなのだろうか?

みんなでVRを楽しむという体験

一言でいえば、3Dのメガネなしで立体の映像を見ることができるディスプレイである。例えば、現在VRと呼ばれているような3D映像を見るためにはヘッドマウントディスプレイのような装着型のアイテムが必要であった。

このアイテムはいわゆるディスプレイなので、特別なアイテムは一切必要がない。今まで3D映像は他人と「共有」するにはヘッドマウントディスプレイなりが複数必要であったのだが、これはディスプレイを取り囲み皆で覗き込むだけで同じ映像を複数人で共有することができる。もうVRを体験するのは1人ではないのだ。

今までもこうしたアイテムはあったのだが、解像度や視野角、値段が高額であるといった問題点が多かった。つまり、実用性に耐えられなかったのだ。

Looking Glassとは?

そこで、Looking GlassはLooking Glass Factory社CEOのShawn氏を中心にホログラム専門家、光学技術者、機械工学者、電気技師、Unity開発者、3Dグラフィックアーティストのメンバーから成るチームが4年間かけて開発したという。

2018年に『Kickstarter』でクラウドファウンディングしたところ約84万ドル(9,000万円ほど)を集め昨年末より商品の提供が開始された。

今週5月15日には1問1答なるライブ配信が行われ、実際にLooking Glassが動く様子が見ることができた。予想以上にスムースな映りを見ることができた。

Looking Glassは性能に限らずスタンダードが81,000円(早割で64,000円)、ラージサイズでも374,000円(早割で305,000円)と一般の人でも手が出せる価格に納まっており、ガジェット好きのクリエイターが注目するのも当然だろう。

Looking Glassの仕組み

裸眼で3Dを見ることができるLooking Glassの仕組みはどうなっているのだろうか?厚みのあるディスプレイにそのヒントがある。

このようにいくつかの階層にわかれており、映像は光として映し出されるという。

特に3Dの映像の場合は角度が重要だ。というのは横から眺めたら3Dではないという体験はしばしば起こる。これは45度の視野角なら耐えられるようになっている。それは、映像を1度ずつ別のものを用意することで45の異なる角度で映し出す。

また、フルカラーで60フレーム/秒と滑らかで美しい映像体験ができる。これであれば、ゲームのようなシビアなフレームを要求されるものも開発ができる。

現在は、特許を出願しているというが、仕組み自体は液晶ディスプレイとレンチキュラーレンズという従来にもあった技術を使ったものである。やはり、素晴らしいのはその角度、画質、そして価格である。

どう使われるの?

とはいえ、45度という角度はまだ映画などの場面に応用するには少し狭い。大人数を相手にするというよりは1人~4人程度の視認性が求められる場面で使われるだろう。

実際に開発環境としてUnity用のSDKが用意されている。そのためにゲーム開発などに挑戦しているクリエイターはすでに多いようだ。

加えて、個人的に思い描くのはロボットアニメ『マクロス フロンティア』で見られたような街のイメージだ。つまり、飛び出す音楽のライブ映像であったり、飛び出る広告のようなデジタルサイネージでの応用だろうか。

他にもオタク界隈では2次元の嫁の3D化、芸術作品の立体視などに注目する声もある。

何はともあれ大きな衝撃を持った商品には違いない。どう映像業界が応用していくのか、見守っていきたい。

関連記事:The Looking Glass: A Holographic Display for 3D Creators

この記事を書いた人

ZOOREL編集部/黄鳥木竜
大学卒業後、複数のサイトを運営しZOORELでも編集及び寄稿。物覚えは悪いが好奇心だけは人一倍強い。

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