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日本の先をいく!? タイのデジタルサイネージ事情

日本の先をいく!? タイのデジタルサイネージ事情

先日、社員旅行があり行先がタイでした。

皆さんのタイについてのイメージはどんな感じでしょうか? ガパオやトムヤムクンのようなタイ料理、東南アジア、熱い……それらも魅力的ですが、実はタイは隠れたデジタルサイネージ大国なのです。紹介していきましょう。

空港に到着するとそこはデジタルサイネージ王国

空路でタイに到着するとまず驚かされるのは、スワンナプーム国際空港にデジタルサイネージがあふれていることです。

そのうちの一社であるCAYIN社は空港でSMP-WEBPLUS デジタルサイネージプレイヤーを通して空港を訪れた訪問者に映像を提供しています。

同社だけで23機の55型LCDディスプレイが導入されており、年間で1400万人を超えるユーザーが映像を通して広告を見ているといいます。「会社、ホテル、レストランのブランド価値を高めることができますし、新商品のプロモーションなどにも活用できます」とDMS techのサティアンマネージングディレクターは言います。

安定した電力供給で停電が少ない

こうしたタイのデジタルサイネージ事情を支えるためには、安定した電力供給が必要です。

タイではタイ発電公社(EGAT)が電力を独占して供給してきましたが、1990年代に電力が自由化しています。タイは天然ガスの発電に60%とこれまで頼ってきましたが、電力需要が伸びているため石炭による火力発電を強化するなど、脱・天然ガスへの道が模索されています。また、原子力は一切使っていないというのが特徴の一つです。

つまり、電力需要に対して供給はひっ迫しています。特に南部ではその傾向が顕著で、マレーシアやラオスから電力を買って不足分を補っています。

実はタイの電力自由化後も、ほとんどがEGATによる供給です。しかし、日本のJ-Powerが10%の電力を提供しており、タイの国民の電力を支える大きな担い手となりつつあります。そのため、特にデジタルサイネージが盛んなバンコクでは、停電もほとんど見られません。

ただし、それは新しい建物やオフィスビルに限ったことで、「ふつう」の人が住む住居では停電はたまに起こります。また、タイでは停電まではいかないものの瞬間的に電力供給が止まる瞬断という現象があります。

特に雨季には大量の雨が降るため注意が必要です。

街中にある大小のモニター

タイは車社会です。電車もありますが、網羅できているとは言い難く、多くの人が車やバイクに乗って移動しており、都市部では渋滞もよくみられます。

電車でもデジタルサイネージは見られますが、多くは街中に溶け込んだものとなっています。つまり、車から見やすいもの、歩行者から見やすいもの

高い位置にあるものもあれば、日本よりもだいぶ低い位置にあるものもあり、そうした移動手段にあわせて提供されているのだと感じます。

タイでは、安いデジタルサイネージの看板であれば日本円で10万円未満のものも流通しており、店舗側も比較的手軽に導入が可能です。こうしたことから、街中には大小のモニターがあふれています。

LG電子は2018年にバンコクにデジタルモニターのショールームを開設しました。同社はデジタルサイネージにおける40%のシェアを狙っているそうです。

デジタルシフトが早い!

一方で、タイの広告市場は決して大きくはありません。Digital Advertising Association (Thailand) の調査によると、2017年には121億9500万バーツで約366億円です。日本の広告市場が1兆円規模であることを考えると、その10%もないことになります。

しかし、2012年に比べると市場は3倍以上に伸びています。日本は70%増ですから、伸び率だけで考えれば日本の約4倍です。

しかも、タイでは通常の広告市場は2012年に比べて10%以上減少しています。つまり、普通の広告が減っているにもかかわらず、デジタル広告が肝になり市場は300%以上の伸び率を記録した計算になります。

特に通信会社、車を筆頭にスキンケア、飲料品、日用品、化粧品のジャンルで広告が盛んです。確かに街中で見られた広告もそうしたジャンルが多かったように思えました。

とはいえ、デジタル広告といっても一番けん引しているのはFacebook内の広告で28%になります。

伸びが期待されるデジタルサイネージ

タイではデジタル広告が肝となり、広告市場は日本を上回るスピードで伸びています。その中でもデジタルサイネージは、まだまだ爆発的に伸びていけるといえるでしょう。

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この記事を書いた人

ZOOREL編集部/黄鳥木竜
大学卒業後、複数のサイトを運営しZOORELでも編集及び寄稿。物覚えは悪いが好奇心だけは人一倍強い。

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