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モーショングラフィックスのトランジションあるある

モーショングラフィックスのトランジションあるある

エレファントストーンの今津です。今回は、モーショングラフィックスという表現の中の技の一つ、トランジションの多様な手法の一部を紹介したいと思います。

そもそもモーショングラフィックスとはなんでしょうか? モーショングラフィックスとは、その名の通り、静的な「グラフィックス」に動的な「モーション」を加えた表現を差し、短い時間で強い視覚的印象を与える力により、2000年代以降は顕著に広告で活用されるようになった表現です。

まず、モーショングラフィックスとはどんなものかを知っていただくために、こちらの動画をご覧いただきたいです。

「すすメトロ!」尺:30秒
動画はこちら→http://www.edp.jp/#project/237/2

目まぐるしくグラフィックスが変転していくまさにモーショングラフィックスな動画です。

この動画を観てもわかるように、モーショングラフィックスは、一括りにはできないさまざまな技法によって成り立っています。今回はその技法の一つ、トランジションを取り上げ、紹介したいと思います。

まず、その前に、モーショングラフィックスの考え方の基礎的な部分に簡単に触れておきます。それは……

形が動きの源

グラフィックスを動かすとはいえ、あらゆるグラフィックスにあらゆるモーションを加えることができるわけではありません。△や□や〇や◇などの形には、それぞれ固有のモーションの可能性が含まれています。

それぞれの形の特性を認識し、モーションによって引き出すのがエディターにとっての腕の見せ所にもなってきます。

その好例が以下の動画です。Alld株式会社の自社ブランドである46/Dを紹介した動画です。

「46/D. -THE GOOD OLD PRODUCTS」尺:3分20秒
※少し長いので、冒頭を少し見ていただくだけで大丈夫です。

 

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それぞれの形(グラフィック)とその動き(モーション)をよく見ていくと、そのつながりによって、いかにグラフィックとモーションが互いに引き立てあっているかが分かると思います。

思い切り、突っ込んで、思い切り、引っ張る

最初に紹介するトランジションは、「思い切り、突っ込んで、思い切り、引っ張る」です。
モーショングラフィックスの多くは、2Dデザインであることから、平面的になる傾向にあります。

そんなとき、思い切り突っ込んでいく、もしくは思い切り引くというモーションでトランジションすることで、2Dでありながら奥行を持たせることができ、より人の目を引く映像になります。

「【C-HR】CROSSOVER THE WORLD #3 原哲夫篇」尺:1分7秒

この動画のトランジションは基本的に、「思い切り突っ込んでいく、もしくは、思い切り引く」です。

そのことによって、平面的な漫画が奥行をもったダイナミックなモーショングラフィックスとして成立しています。

「ASICS 研究所 motions」尺:1分5秒

こちらの動画では、「思い切り、突っ込んでいく」というトランジションによって、Asicsの靴の中の繊維のただなかに突き進んでいき、「引く」というトランジションによって、消費者のもとへと商品が使用されている場面に至ります。

つまり、にぎやかしだけではなく、作品のテーマにも合わせてトランジションを駆使しているというとです。

開いて、閉じて、押し出して、隠す

「開いて、閉じて、押し出して、隠す」これがモーショングラフィックスにおいて、最もポピュラーなトランジションです。

「n❤︎line CM グラフィカル篇」尺:30秒

この動画においては、この技法が一目では把握できない量で、ふんだんに使われています。シーンとシーンのつなぎ目としてだけではなく、一つのシーンの中でも複数の画面をこの技法によって表示させることで、飽きない動画になっています。

ちなみに、「視認できない数と速さで、技を駆使する」というのも、クオリティを上げるモーショングラフィックスの技だったりします。

メタモルフォーゼ

まずこちらの動画をご覧ください。

「Hulamin Infographic」尺:1分25秒※25秒辺りのアニメーションを見ていただきたいです。

メタモルフォーゼという技法は、その名の通り、同一の形(例えば〇)を基準にして、シーンAのグラフィックをシーンBのグラフィックに変化させることです。

単純に、物がメタモルフォーゼしていくというのは見ていて楽しいものですね。そういう素朴な視聴者の感覚に訴えかけるからこそ、この技法の視覚的な喚起力は強いです。

まとめ

今回紹介した技以外にも、数多くの技法がモーショングラフィックスには使われています。このように「作品としてモーショングラフィックスを見る」ということで、一つCMを見る楽しみが増えるかもしれません。

最後に、もう一度、冒頭で紹介した「すすメトロ!」の動画をご覧ください。今回の記事で紹介した技が随所に垣間見えるはずです。

▼こちらの記事もぜひご覧ください
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この記事を書いた人

今津祥
エレファントストーンのエディター。1989年生まれ。

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