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2020年は5G元年、「5G」で映像・動画の世界はどう変わる?

2020年は5G元年、「5G」で映像・動画の世界はどう変わる?

ZOORELでもたびたび登場している「5G」という言葉の正体をご存じでしょうか?

5Gは5th Generationつまり、第5世代という意味です。4Gが2012年に登場して以来、8年ぶりに次の世代へとアップデートします。何となく「通信が早くなるんでしょ?」「車の自動運転とか」というだけでは、映像、動画が好き、または仕事にしている人間としてはやばいです。

そこで、今回は5Gで「映像」「動画」の世界で何が変わるのかを簡単にお届けします。

速度が超速い

5Gのピークデータレートは2Gbps、ないしは1Gbpsと言われています。それを持ってギガの動画も一瞬というのはまだ早計なようです。実際はそれぞれのユーザーが共有するので保守的なメディアでは100Mbpsのダウンロード速度、50Mbpsのアップロード速度、期待するメディアでは300Mbps〜1Gbpsになるのではないかと見られています。なので、2Dの映画であれば遅くとも20秒程度でダウンロードできると予測されます。

密度も超すごい

1平方キロメートルあたり100万の接続をサポートし得るといわれています。つまり、たくさんの接続があっても耐えることができるので、IoTの進化に期待がかかります。

IoTは簡単にいえば何でもインターネットにつなげてしまおうというものです。例えばゴルフ場でプレーの映像をとっておいて、後で買えるサービスや警備員をロボット化して管理は遠隔地で映像を見るだけ、と言ったことが予測されています。

今までは映像を確認するのに遅延(ラグ)や回線の不安定さがあったので、人間がいなければ信頼性に長けていませんでした。

オンデマンド

すべての動画はオンデマンドで遅延なく楽しめる時代が来るでしょう。これまでストリーミングやオンデマンド配信や時に遅延、バッファリングを起こすことがあります。映画ではまだ良いですが、スポーツの生中継で大事なシーンで読み込みが始まる……実際にこれは昨年何度か起こったとあるサービスの不具合ですが(のちにQUOカードが配布された)、そうした事態は防げるようになるといわれています。

同じくP2P(Peer to Peer)技術にも注意が集まっています。

ビデオ通話

これまでSkypeやLINEのビデオ通話は、時に遅延や音と映像がずれることがありました。しかし、これからはビデオ通話は音声の通話に代わって標準になるかもしれません。

スムーズなビデオ通話ができることは、一方で女性には死活問題かもしれません。いつでも綺麗にしておかないといけないという時代になったら、おそらくちょっと大変ですね。

AR・VR

AR、VRはこれまで帯域幅をヘビーに使用するものでした。これからはそうした心配はいらないでしょう。特にスポーツ分野でVRの活躍が期待されています。選手と同じ視点の映像をリアルタイムに楽しめるかもしれません。

VRやARを使ったサービスとしては医療分野の応用が期待されます。VR、ARを使い遠隔で医療を行うことができれば、救急対応が飛躍的に向上します。

ブロックチェーン技術

5Gと共に注目が集まっているのが仮想通貨に応用されているブロックチェーン技術です。ブロックチェーンは一言で言ってしまえば分散型台帳です。

これによって映像クリエイターは最も恩恵を受けるかもしれません。ブロックチェーン技術を用いれば海賊版を防ぐ著作権管理にも応用ができます。

また、作る側がクラウドファンディングのように「トークン」という形で無形の資産であるアーティストへ支援を受けられるかもしれません。今でも時折クラウドファンディングによってつくられたミュージックビデオ、インディーズ映画……といったことはありますが、「トークン」は5G時代のファンクラブと言っていいかもしれません。

事実、すでにスポーツクラブではファントークンというものを売り出しているクラブもあります。サポーターやファンはファントークンを買うことでクラブ運営の権利を少しもらっているのです。ここでは「投票権」という使い方でしょうか。

まとめ

このようにスピードが上がるということは大容量のデータが一瞬で広がるというだけなのですが、それは単純に1から1.1になるわけではありません。3Gの時代をあなたは覚えていますか?

i モードで有料の会員サイトでニュースをよみ、動画はおろか画像1枚の表示にも時間がかかりました(まるで初期のテレホーダイのように!)。そして、4Gの時代が来て今やスマートフォンは生活の基盤になっています。たまに3Gの回線しか入らないエリアに行くと、まるで息の詰まったかのように何もできなくなります。

それだけでも5Gが変える「映像とデータが一瞬で大容量で送れる」恩恵はとてつもなく大きいということがわかるでしょう。

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この記事を書いた人

ZOOREL編集部/黄鳥木竜
慶應義塾大学経済学部、東京大学大学院情報学環教育部で学ぶ。複数のサイトを運営しZOORELでも編集及び寄稿。引きこもりに対して「開けこもり」を自称。毎日、知的好奇心をくすぐる何かを求めて街を徘徊するも現在は自粛中。

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