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iPhoneに毎年並ぶビッグウェーブ男が語る“行列仰天秘話”

iPhoneに毎年並ぶビッグウェーブ男が語る“行列仰天秘話”

BUTCHさんをご存じだろうか。2008年にiPhone 3Gが発売された当時マスコミの取材に対して「世界的ですもんね、乗るしかない、このビッグウェーブに」と発言して以降、そのインパクトある容姿から火が付き“ビッグウェーブ”男としてブレイクを果たした。

今では新しいiPhoneが出るたびに行列に並び一大名物となっているが、行列中にはたくさんの事件があったという。今回はBUTCH行列伝説からいくつかのエピソードをお届けしよう。

平衡感覚が狂う

よくApple Storeに並んでいると間違われるんだけど、並んでいるのはソフトバンクショップの表参道と銀座。

表参道行ったことある?あそこ坂道にあるから3日間いると平衡感覚が狂うんだ。左半身がなんかおかしいんだよね。時差ぼけならぬ行列ぼけか。

一晩寝れば治るけどね、スーパースターだから

現金はいらない

行列には3日間並ぶんだけど、基本手ぶらなんだよね。唯一持っていくのが椅子とクーラーボックス。現金も持たないね。みんなが差し入れをくれるからいらないんだ。

とてもありがたいことなんだけど、いつもクーラーボックスを超える量をもらっていて、行列仲間で食べても食べきれないから通行人に配ったりしていた。

「ビールはプロテイン代わり」と言ってるからビールの差し入れが多いんだけど、ごはんものも多い。

一番びっくりしたのがマック50人前とか、土鍋でごはんを持ってきてくれた人かな。すんげーおいしいんだけど食べきれない。そうしたらおにぎりにしてくれた。「次の日食べられるように」って。感謝だよね。

だから太る

ちなみに3日間行列に並ぶと痩せると思われてるんだけど、毎回5kg太るんだよね。100kg超えちゃったよ。だから、今回のiPhone XSでは行列前に断食をして5kg減らしてからチャレンジしたんだ。それなのに帰ったら6kg増……結局増えたね。

行列の最中たまに取材やトイレで中抜けすることがあるんだけど、無人の状態なのに食べ物がお供えされているんだよね。何か盗まれたりもしないで。仏様みたいなもんなのかな……。

外国人はこれだから困る

行列に並んでいると日本人はチラッと見るだけなんだけど、外国人はじっと見てくるんだよね。勝手に写真撮ったりさ。そういう人種なんだろうけど。

一番驚かれたのが銀座店に並んでいた時だね。店の前では邪魔だからと隣のビルの隙間に並んでいたんだけど、隣のビルの壁はトリックアートなの。だから、俺もトリックアートだと思われてさ。壁の写真撮っている人が、俺が動いたら驚いていたね。

手ぶらだから

手ぶらだから一番困るのは天気だね。今年は最悪だった。2日目以外雨だからね。iPhone 6かなんかの頃大雨があった。これが非常に困った。

モヒカンの作り方は知っているか?「パンクイズデッド」にも掲載されている固形石鹸で固めているやり方なんだ。いい匂いするかわりに雨に弱い。雨が降るとモヒカンがしおれるんだよね。

SNSでつぶやいてハードスプレーを持ってきてもらったことがある。ハードスプレーを使う時は固形石鹸の上から、やっぱりVO5派だね。

ギターが弾けなかった

俺はパンクスでNO FX、グリーンデイ、ランシド、ペニーワイズ、オフスプリング……といった時代に育ったんだ。このナリだからよく「楽器は何を?」とか「バンドのほうは?」とか聞かれて困った。

ところがある日、知り合いから倉庫にあったアコースティックギターをもらったんだ。行列中は暇だからギターを持っていって、気がつけば弾き語りができるようになっていた。18番はアン・ルイスの「あゝ無情」さ。

大変なことは?

手ぶらだから充電器もなかったのよ。いつも誰かが貸してくれるんだよね。営業中はいいけど困るのは深夜さ。昔はソフトバンクショップ表参道の上がマクドナルドだった。24時間営業だったからトイレにも行けたし、そこでシャンプーしてたら店員に怒られたこともある。

なくなってからトイレが10分以上先の場所になってしまって、それが厳しいね。今回は諦めて充電器は持っていったよ。でも結局3日間並んで真剣に並んでいたのは2人、最終的には10人……いや30人としておこう、並んだけどね。

まだまだあるんだけど何を話そうか。いや、いい? じゃあ、この続きはまたどっかでな。

この記事を書いた人

ZOOREL編集部/黄鳥木竜
慶應義塾大学経済学部、東京大学大学院情報学環教育部で学ぶ。複数のサイトを運営しZOORELでも編集及び寄稿。引きこもりに対して「開けこもり」を自称。毎日、知的好奇心をくすぐる何かを求めて街を徘徊するも現在は自粛中。

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